応急手当の必要性

 事故が起きたり、けがをした場合には、状況に応じた応急手当が必要です。適切な手当を行うことで、命を救ったり、悪化を防いで回復を早めたり、さらには苦痛や不安を和らげ励ますことができます。ここで紹介する応急手当は、中学校の保健体育の授業で習う初歩的なものばかりです。

意識や反応がないときの手当

 人が倒れている時には、まず周囲の安全を確認します。車が通る場所では移動させるなど、自分の安全も確保します。
 意識があるかどうかを確認するのは難しいので、声をかけたり肩を軽くたたいたりして、反応があるかどうかを確認します。


 反応がない場合には、呼吸ができるように気道を確保します。仰向けにしてあごを上げ、舌が気道をふさがないようにします。
 気道を確保したら、呼吸を確認します。胸の動きや呼吸音がなく、息も感じなければ、心臓や呼吸が停止していると判断します。


 心臓が停止していると判断したら、胸骨の真ん中に両手を重ね、手のひらの根もとで1分間に100回くらい垂直に押します。
 呼吸が停止していると判断したら、口へと直接息を吹き込みます。1秒くらいかけて胸がふくらむまで、続けて2回行います。


出血したときの手当

 厚目のガーゼ(清潔なハンカチやタオル)を使って傷口を強く押さえます。血液がにじんでも、取らずに別のガーゼを重ねます。
 指や手足の出血では、直接圧迫止血法とあわせて、傷口よりも心臓に近い方の動脈を、指などで骨に向けて強く押さえます。


外傷の手当

 汚れを水で洗い、傷口とそのまわりを消毒してガーゼを当てて包帯をします。脱脂綿やティッシュは傷口に当てないようにします。
 針を抜いて冷やし、すみやかに病院などに行きます。心肺停止や呼吸困難などの症状が起きた場合には、心肺蘇生法を行います。


 頭や胸、腹などを強く打った場合には、安静にして打ったところを冷やします。動かさないようにして、すぐに医師に連絡します。
 脱臼は、強い力を受けて関節が外れた状態です。外れた関節は元に戻さず、動かないように固定して病院へ行きます。


 外れかかった関節が元にもどった状態です。はれや痛みがなくなるまで水で冷やし、動かないように固定して安静にします。
 指を冷やしてはれを抑えます。引っ張ると悪化することがあります。骨折や脱臼の可能性もあるため、固定して病院へ行きます。


 骨が折れた完全骨折と、ひびが入った不完全骨折があります。そえ木などを当てて固定し、動かさないようにして病院へ行きます。
 包帯は、体の末端から中心へ向かって巻きます。強くしめすぎると、血液の流れをさまたげるので、注意が必要です。


 冷たい水で、痛みがなくなるまで冷やし、何も塗らずにガーゼを当てて包帯をします。水ぶくれは、つぶしてはいけません。
 暖かい布などでおおって暖めます。40度くらいの湯に20分以上入れて暖め、温度が戻ったらガーゼを当てて包帯をします。


熱中症の手当

 涼しくて風通しのよい場所に移し、衣服をゆるめて安静にします。体温が高い場合には風を送り、顔色が青白い場合は頭を低く足を高くします。意識がありおう吐がなければ、スポーツドリンクなどを飲ませます。
 体温上昇が激しい場合には、裸に近い状態にして冷たいタオルで全身をふき、風を送ります。首やわきの下、もものつけ根などに氷を当て、とにかく体温を下げるようにして、救急車を呼びます。