呼吸器の病気に関する基礎知識

 かぜは、鼻からのどに至る上気道の粘膜が炎症を起こした場合の総称です。鼻汁・鼻づまり・くしゃみ・のどの痛み・せき・たんの他、発熱・倦怠感・頭痛などを伴うことがあります。原因の80%以上はウイルス感染で、成人で最も多いのがライノウイルスによる感染です。感冒とも呼ばれています。
 扁桃が炎症を起こす病気で、のどの痛み・発熱・リンパ節のはれなどをきたします。原因は、溶血性連鎖球菌・黄色ブドウ球菌・肺炎球菌によるものが多く、小児や青年期に多くみられます。扁桃の周囲に炎症が広がると、膿みがたまって飲み込み時の痛みなどを伴います。高熱が出ることもあります。


 気管支炎は、かぜのウイルスなどによって上気道が感染し、炎症を起こす病気です。かぜの症状に加え、悪化すると肺炎や呼吸困難、胸痛などを引き起こします。タバコの吸い過ぎや大気汚染なども原因となります。下気道に起こる細気管支炎は2歳以下の小児に多く、チアノーゼや呼吸困難を伴います。
 気道が炎症を起こして狭くなり、過敏になることで、発作的にせきやゼーゼー音・呼吸困難を繰り返す病気です。重症になると、呼吸音が弱くなり、意識障害に陥ることもあります。過敏になるのは、アレルギー・ウイルスや細菌などの感染・自立神経失調症・内分泌障害などが原因と考えられています。


 肺炎は、肺胞が病原微生物によって感染し、炎症を起こす病気です。細菌感染、中でも肺炎球菌やインフルエンザ菌による感染が多く、せき・たん・胸痛・呼吸困難などの症状がみられます。また、マイコプラズマ、クラミジアなどの微生物によって、炎症が引き起こされる場合もあります。
 有害物質を長期間吸うことにより、気管支炎を起こして気道が狭くなり、呼吸しにくくなる病気です。せき・たん・息切れなどが起こり、悪化すると呼吸困難・右心不全・低酸素状態などに陥ります。原因はタバコの煙が最も多く、その他、大気汚染や感染症・気管支喘息などによっても発症します。


 気道粘膜上皮および肺胞上皮細胞から生じる悪性腫瘍です。喫煙・大気汚染・遺伝などが主な原因ですが、他の臓器で発生した悪性腫瘍が血液やリンパなどから転移する場合もあります。病気の進行により、血たん・胸痛・呼吸困難などがみられる他、部位によって気道閉塞などを起こすこともあります。
 結核菌が、肺に感染して引き起こす慢性の炎症です。感染者の飛沫(ひまつ:せきやくしゃみで飛び散った細かい水の粒)に含まれる結核菌を吸い込むと感染します。症状は、病巣の部位、広がり、程度によってさまざまで、無症状のこともありますが、呼吸器症状と全身症状とに大きく分けられます。